Haas@Work (Spring 2015)

Berkeley HaasではExperimental Learningを重要視しており、卒業要件の一つとして、Applied Innovation Courseと呼ばれるコース群の一つをとることが要求されています。私が受講したHaas@Workはその中の一つです。

Haas@Workは、Design Thinkingのフレームワークを使い、クライアント企業が実際に悩んでいる経営課題をテーマに、Innovationを継続的に起こしていくための一連のプロセスや仕組みについて学んでいきます。15週間の間、iLabと呼ばれるInnovation Labを舞台に、10-15人程度のチームで和気あいあいと、そして時には激しく議論を戦わせながら、クライアントにInnovativeな解決策を提案するためプロジェクトを進めていきます。

クラスは最初の一時間程度がプロセスや仕組みについての説明に充てられることが多く、残りの二時間程度は実際にそれらを使ってコンサルティングプロジェクトのための作業を進めていきます。これ以外にも、クライアントとの継続的なインタラクション(定例電話会議やインタビュー、要所要所でのプレゼンなど)が求められるため、授業時間外にもやることが盛りだくさんで、決して簡単なコースではありません。

ただ、受講し終わった今、Innovationは突発的なアイデアやひらめきによって起こるだけではなく、一連のプロセスややり方をきちんと遵守することで継続的に起こせるものだと確信するようになり、時間を使った甲斐があったと思っています。

以下にHaas@Workのオフィシャルなコース紹介とビデオがありますので、是非見て下さい。私が今年実際に一緒に働いたチームメイトや教授、コーチたちのインタビューが見られます。

http://haasatwork.berkeley.edu/for-students/applied-innovation-course/

以下、更に興味のある方向けにもう少しクラスの特徴を記載しておきます。

(i) Design Thinkingを実際に適用する機会の提供

Innovationを生み出す仕組みとして各方面から注目されているDesign Thinkingは、Berkeley Haasが非常に力を入れている分野の一つです。Diverge – Convergeというプロセスを、Insight – Ideation – Experimentという三つのPhaseに亘り繰り返していくことで、Innovationにたどり着くことを目的にしています。

Berkeley HaasはProblem Finding, Problem Solving、通称PFPSというコースが必修になっており、Design Thinkingの基礎的なフレームワークについて学びますが、期間が7週間と短いのと、クライアントとのインタラクションがないため、学びが限定的になりがちです。

Haas@Workは15週間の間、実際にクライアント企業と働く機会があるため、より深く、そして包括的にDesign Thinkingについて学ぶことができます。

(ii) 実際のクライアントとInnovationにチャレンジする機会の提供

前述の通り、クラスの大きな特徴の一つは実際のクライアント企業が直面している課題について、クライアントのチームと一緒になって解決策を探していくという点にあります。

クライアントが大きな問題と認識しつつ解決策をうまく探し当てることができないような課題を扱うため、クライアント側もかなりの熱意を持ってプロジェクトに臨んでいます。結果として、通常は外部からアクセスできないようなレベルの情報の提供を受けることができ、業界、会社、課題への深い理解を培い、それをベースにプロセスを前に進めていっています。

また、Design Thinkingというのは非常に不確定要素の高いプロセスのため、クライアントによっては途中で不安感が募ったりするケースもあります。そういった場合にどうやってクライアントの関係をマネージしていくのか、というのも学生が主導権をもって行うので、様々なPoliticsが存在する社内でどうInnovativeなプロジェクトを認めさせていくのか、という極めて実務的なスキルも身に付きます。

(iii) ネットワーキングの機会の提供

クラスの2/3程度はEvening & Weekend MBA Programの学生です。彼らは実際にBay Areaの企業に勤めており、私のチームには、Facebook、Intelなどの大企業で働いている人から、SFのアドテクスタートアップで働いている人まで様々なバックグラウンドの人間が集まっています。

こうしたEvening Weekendの学生と知り合う機会は他にもありますが、一緒のプロジェクトで濃い時間を過ごす機会は貴重です。

また、多くのクライアント企業はHaas@Workの成果に非常に満足しており、継続的にHaas@Workを受講した生徒を採用しています。実際にLunchなどにInviteされることも多々あり、こうした過去のクライアント企業との繋がりも魅力的です。

(iv) 英語を仕事で使う機会の提供

幸運にも、私は夏のインターンを含め、アメリカの会社で働く機会がいくつかありましたが、英語を伸ばすもっとも手っ取り早い方法は実際に英語を仕事で使ってみることだと思います。学校ではある程度クラスメートも手加減して気長に話を聞いてくれますが、職場だとすべてがかなり早いスピードで進んでいくため、結構容赦がなかったりします。西海岸の企業は外国人に対する理解がある方だと思いますが、それでも学校とは全く違った環境だと言えます。

このHaas@Workにおけるクライアントとのインタラクションは実際の仕事と同じように進んでいくので、かなり英語力が鍛えられます。私もクライアントへのインタビューやプレゼンテーションをこなしていく中で、英語で仕事をすることに対する自信がかなりつきました。

またチームメイトの大半であるEvening Weekendの学生は米国企業で働いているため、そうした現地のプロフェッショナルのコミュニケーションの取り方などは大変参考になります。また、プレゼン前などは皆で集まって練習をするので、クラスメイトからフィードバックを受ける機会が沢山あることも魅力的です。