Alumni2005-A

『私の就職活動記』    Haas ’05 Aさん

日本の大学をバリバリの文系として卒業後、戦略系コンサルティング、投資銀行、外資系ソフトウェア会社での新規事業開発を経て Haas にやって参りました。楽しかった二年間もあっという間に過ぎてしまい、2005年7月からは米大手ソフトウェア会社で直販事業(主にオンラインン・ストア)の拡大戦略の立案・実行に携わっております。

私がビジネススクールを選んだ理由は、コンサルや投資銀行といったアドバイザーの世界から脱却し、いわゆる「実業」の世界で自分の会社のために事業戦略やマーケティングをやってみたいと思ったからです。第二の理由は、前職すべてがIT業界にかかわったものだったということもあり、できればITのメッカであるシリコンバレーで仕事をしたいという希望が強くあったことです。

ビジネス・スクールはキャリアスイッチのためにはもってこいだとよく言われていますが、仕事の属性としてスイッチが可能なものは三つあります。その三つとは、業界、ファンクション(マーケティング、エンジニアリング、ファイナンス、など)、および国です。一般的にはこの三つのうち二つを同時にスイッチするのは難しいといわれています。

私の場合は運良くMBA前の仕事経験として、ソフトウェア会社でのマーケティングが6ヶ月、および投資銀行時代に一年半ほど欧米で働いた経験があったので、三つの面すべてにおいて部分的にスイッチがすでに進行しているという状況でした。したがって、「アメリカのIT業界でマーケティング関連の仕事をする」というのは私にとっては特に無謀なキャリア志望であったというわけではないといえます。(もちろん非常にストレスのたまる努力をするはめになるのですが。。。)よって、卒業後アメリカでの就職を希望される方は、「自分の過去の仕事経験と卒業後目指したいキャリアとのギャップがどれだけあって、それをMBAによってどう埋めていくことができるのか」を現実的に考えることをお勧めします。

それでは、私が具体的に Haas で就職活動としてどのようなことをしたのか、述べて行きたいと思います。まずは学生主導で行われるさまざまなイベントやクラブ活動があります。同じものに興味を持った人たちが作り出す機会で、全くの新世界について学んだり、興味分野への理解を深めたり、対象業界の人たちとネットーワーキングしたり、とさまざまな活用方法があります。こうした活動は直接面接に結びつくことは必ずしもないのですが、興味分野での「経験値」を蓄積することは重要です。私の参加または主導したさまざまなイベントのうちのごく一部を例示すると、 Haas Technology Club の役員としてシリコンバレーの会社訪問を取りまとめ、デジタルメディア関連での業界人をスピーカーとして招聘、LAでのデジタルメディア系カンファレンス参加、などがあります。

グループだけでなく個人で何かすることも可能です。多くの人がやっていて私もやってみたのですが、興味のある分野でのコンサルティング・プロジェクトを会社に売り込んで、ただ働きをするというものです。ちなみに、これはあくまで経験を得るためであって、自暴自棄で卒業後の仕事ほしさのためにやるのは精神衛生上よくないし、自分を安売りすることになりがちなので、お勧めしません。
また、学校の授業の要求項目の一環としてプロジェクトをやるときに、興味のある会社に話を持っていってコンサルティング・プロジェクトをすることでネットワークを作り、レジュメに書ける経験を積むことも可能です。特に二年目はほぼすべての授業がこのようなプロジェクトがあり、機会は豊富です。私もこれぞという授業に関しては、良いチームと良いプロジェクトをするように努力し、面接中にいくつかのプロジェクトについて言及することがしばしばありました。

Haas のキャリア・センターも非常に助けになりました。キャリア・センターが主導している模擬面接やトレーニング・クラス(例:「アメリカでのネットワーキングのしかた」、「やりたいことを見つけるためには」、「レジュメの書き方」など)を積極的に活用することで、アメリカでの就職活動がどういうものなのかの感じをつかむことができたと思います。

実際の面接にはどうこぎつけたかというと、アメリカで就職したい場合は、キャンパス・リクルーティングが主なルートです。これは会社のほうが学校にやってきてくれる上、他の会社よりも早く始まるのでこの波にうまく乗っかってしまうとことが非常に効率的に進むわけです。私の場合は興味のある会社の多くがキャンパス・リクルーティングにやってくるのでこれにほとんどの努力を費やしました。 Haas の非常によいところは助け合いの精神が発達しているところで、このキャンパス・リクルーティング時には、多くのクラスメートが同じ会社と面接しているにもかかわらず、みなが情報交換をし合ってお互いの面接を助けるのが通常となっています。たった一つの面接よりもクラスメート同士の長期的な絆のほうが重要ということです。

キャンパス・リクルーティング以外にも面接にたどり着く方法はいろいろあり、キャリア・センターへのジョブ・ポスティング、前述のネットワーキングやプロジェクトが面接に発展するケース、など人によってさまざまです。私の場合は、地元のベンチャー企業とやっていたコンサルティングプロジェクトがフルタイムの仕事になりそうな勢いはあったのですが、そのまえにキャンパス・リクルーティングで希望にマッチする仕事の内定が出てしまったので、それ以上先に進めることはしませんでした。

以上、振り返ってみると、いろいろ無駄に時間を使ったり、プレッシャーからストレスがたまることもありましたが、最終的には就職活動がうまくいったのは、(1)自分が本当に何をしたいのかしっかり理解する、(2)MBAの二年間を使って自己の経験・スキルが志望キャリアにマッチするよう努力する、(3)「すべり止め」という概念にあまり惑わされず、やりたいことにフォーカスする、という三点を徹底してやりぬいたからなのではないだろうか、というのが個人的な感想です。