OCR体験記

(Class of 2015 Nさん)

私は幸運にもAmazonという会社のシアトル本社からオファーをもらい、卒業後もアメリカに残り、北米向けの事業に携わる機会に恵まれました。本稿では、私の体験をベースに米国向け就職活動のプロセスやTipsについて少し述べたいと思います。尚、私は所謂純ドメ、というやつで、MBA以外は留学も駐在の経験もなく、生まれも育ちも教育も仕事も日本です。ただ、大学卒業後はずっと米国資本の会社を渡り歩いていました。

尚、私は夏のインターンはOff Campusで見つけ(夏はSFにあるヘッジファンドでインターンしました)、フルタイムのポジションは二年目の秋にOn Campusで見つけました。

Berkeley HaasではOn Campus Recruitingの頭文字をとってOCRと呼ばれる就職活動プロセスが用意されています。本稿ではOCRについて、プロセス、Haasの長所、全体的なゲームのルールとTipsを扱います。

(1)プロセスについて

OCRはその名の通り、採用側企業が学校に来て面接などの採用活動をするプロセスです。OCRは学校側からかなり細かくルールが決められているため、採用側からすると余計なコストがかかることもあるのですが、その分多くの学生にリーチ出来るので、投資銀行やコンサルをはじめとする多くの大企業はこの方法をとっています。

大まかな流れとしては、Company Presentation(及び多くの企業についてはこの前後にCoffee Chatと呼ばれる少人数のChat Sessionを設けます) ⇒ Resume及びCover Letter提出 ⇒ 数回の面接 ⇒ Offer、という流れになります。会社にも拠りますが、大体のプロセスは9月初旬にはじまり、年内には終わります。

(2)Haasの長所

  1. 西海岸にあるという立地及び西海岸における強固なブランド

日本人がアメリカで働くには、グリーンカードかアメリカ国籍がない限り、VISAのサポートを雇用先にしてもらう必要があります。テックやエネルギー系を中心とする西海岸に拠点を置く企業はこのVISAサポートに積極的なところが多いです。そもそも移民が多いという土地柄に加え、エンジニアの多くはインドや中国といった海外から来ている人たちということで、VISAのサポートやアクセントのある英語に余り抵抗がないことが主な理由だと思います。
そしてBerkeley Haasは西海岸に於いてStanford GSBと双璧の非常に高い評価を得ています。勿論、UC Berkeleyは全米でもトップ校の一つであり、Haasも当然全米レベルで高い評価を得ています。ですが、アメリカはローカル志向が非常に強いため、Berkeley Haasのブランド力の強さは西海岸でこそまさに発揮されるものだと感じています。また、Berkeley Haasの協力的なカルチャーはよく知られており、そういった点も就職活動時はかなりプラスに作用したように思います。

  1. Experimental Learningの機会の多さ

アメリカの就職活動、特にMBAにおける就職活動では、投資銀行やコンサルといったポテンシャルを見てくれるごく一部の会社群を除き、職務経験を非常に重視します。従って、希望の業界及び職種に関連する実務経験をどうつけるかというのが非常に大事なのですが、Berkeley Haasはそういった機会を多く提供しています。
オフィシャルウェブサイトを見て頂ければ一目瞭然かと思いますが、Experimental Learning Courseは数及び質の両面から見て非常に充実しており、実際に様々な企業とProjectベースで働く機会が多数あります。また、サンフランシスコまで電車で30-45分程度という立地のため、在SF企業での学期中のパートタイムインターンの機会が沢山あります。

私はExperimental Learningもパートタイムインターンも両方やりましたが、どちらも米国企業で就職するにあたって非常に大きなプラスになったと感じています。

  1. 経験豊富なCareer Management Group(CMG)及び協力的なカルチャー

Berkeley Haasでは、上記のような理由もあって多くのInternational Studentが卒業後も米国に残ります。従って、Career Management Group、通称CMGのメンバーもInternational Student向けキャリアアドバイスの経験が豊富なメンバーが多く、非常に助かります。
私は、フルタイムの就職活動を始める際の指針決めに一回、面接シーズンに模擬面接で一回、それからどの会社からのオファーを受けるか悩んでいたタイミングで一回、計三回利用しましたが、いずれも業界知見に基づく一般的なアドバイスだけではなく、私のバックグラウンドをきちんと理解した上での細かな助言をもらえたと思っています。
また、Berkeley Haasは生徒同士が非常に協力的であり、たとえ同じ業界・職種であっても助け合いが盛んです。International Studentは小さなパイを分け合っているので競争は熾烈なはずですが、過去にInternational Studentの多くが米国でのJob Offerをとっているという実績もあって、ギスギスした感じは全くなく、むしろ同じ悩みを持った仲間としてかなり積極的な情報交換やネットワーキングの助け合いがなされています。こうしたカルチャーも大きな助けになります。

(3)米国就活の仕組みとTips

  1. 投資銀行とコンサルを除き、即戦力重視。日本でいう中途採用に似ている

⇒従って、今までの職務経験やスキルセットが最重要になりますので、そこの見せ方はかなり工夫が必要です。また、関連性のある経験がないのであれば、クラブのリーダーシップポジションなど、熱意及びコミットメントを見せるのは最低限必要だと思います。
学校のランキングやGPAはある程度スクリーニングの際に使われるようですが、そこそこのランキングの学校であったり、余りにひどいGPAでなければそれ自体が決め手になることは殆どないように感じました。実際、私は自分の過去の経験分野と近いところは殆ど面接に呼ばれましたし、逆に余り今までの経験が活きなそうなところはさくっと落とされました。

  1. ネットワーキングは量よりも質

⇒沢山の人を知っていても余り意味がなく、どちらかというと、自分のファンを如何に増やしていくか、というのがネットワーキングの肝だと思います。例えば、私のように英語が下手だと、大人数でリクルーターを囲むようなパーティーでよい印象を残すのは至難の技です。従って、どういった状況であれば自分がいい印象を残せるかというのを考え抜き、無駄なネットワーキング避けて、その分の時間を準備に使い、限られた機会でよい印象を残せるように集中するべきだと思います。
私はAmazonに関しては特別なネットワーキングはせず、Company PresentationとCoffee Chatに行っただけでしたが、Coffee Chat向けの質問はある程度練ったものを準備しました。その他の企業でプロセスが進んでいたところも同じくらいのネットワーキングしかしていないので、やはり量よりも質ということなのだと思います。(自分で応募するポジションを拾ってこないといけないOff Campusでは全く違った観点になると思いますので、その点はご注意ください)

  1. 自分が外国人であり、米国で働くのは相当ハードルが高いということを理解する

⇒ OPT (Optional Practical Training)、H1-B Visaの抽選、グリーンカードの申請手続き。。。米国において外国人として働くのは、当然のことながら、非常に面倒です!!
そして、雇用者側も非米国人を雇用するのは面倒だと思っています。西海岸のテック企業だって、VISAサポートにいくら慣れているとは言っても、アメリカで労働する権利を持っている人を雇った方が圧倒的に簡単なのです。我々の様な外国人はこの状況を理解した上で、会社側にどういったサポートを求める必要なのかをきちんと理解している必要があります。特に昨今はH1-Bの当選確率が非常に低いので、外れた場合のプランなども含め、雇用先と話し合っておくことをお勧めします。

最後になりますが、本稿を執筆するにあたり、いくつか過去に書かれた米国就活ブログのようなものを見ました。中にはかなり厳しい意見のものもありましたが、少なくとも本稿執筆時点(2015年5月)では、景気がいいこともあり、そこまで米国での就職が難しいという印象はありません。実際に、西海岸にいる日本人学生の間では、卒業後も米国で就職するという話を(頻繁ではないにせよ)それなりの頻度で聞きますし、Haasの先輩方で米国に残っている人も多数います。

私は個人的に米国就職はよく考えた方がいいと思っていますが、もし熟慮の上で興味があるのであれば、挑戦してみることをお勧めいたします。Haasに入学された場合は、個別のご相談にも喜んで乗りますので、気軽にご連絡下さい。